物語が終わっても、登場人物たちはどこかで静かに日常を続けている――そんな余韻を感じさせる投稿が、ファンの心を和ませた。俳優・森七菜(24)のスタッフ公式インスタグラムが12月5日に更新され、NHKドラマ『ひらやすみ』のオフショットが公開された。

写真には、主人公・生田ヒロト(岡山天音さん)といとこ・小林なつみが暮らす平屋の郵便受けや、縁側でくつろぐ森さんの姿が収められている。ドラマの世界観そのままの柔らかな空気に包まれた笑顔は、放送が終わった今だからこそ、よりいとおしく映る。また、原作漫画の作者・真造圭伍さんとの2ショットも披露され、舞台となった東京・阿佐ヶ谷で撮影されたとみられる一枚には、作品を支えた“原点”と“実写の顔”が並ぶ特別感があった。
コメント欄には「なっちゃん役は森七菜さんの超絶ハマり役」「縁側のなっちゃんも、真造先生とのツーショットもかわいい」といった称賛が相次ぎ、キャスティングの妙と作品への愛情がにじむ声が並んだ。さらに、12月4日に最終回を迎えたばかりということもあり、「ロスがつらい」「その後のなっちゃんとヒロ兄に会いたい」「2期を願っています」と、続編を望む声が後を絶たない。
阿佐ヶ谷駅から徒歩20分の平屋で繰り広げられる、何気ない日常を描いた『ひらやすみ』。派手な展開はなくとも、登場人物たちの呼吸や間が心に残る作品だった。今回のオフショットは、そんな物語が確かに存在していた証のようで、視聴者の“もう少し浸っていたい”気持ちに、そっと寄り添っているように見えた。
『ひらやすみ』は「現代ドラマとしては異例」だった?!
世界累計110万部を突破し、国内外で幅広い世代に親しまれてきた真造圭伍の人気コミック『ひらやすみ』(小学館)。その実写化として放送前から注目を集めていたドラマ版は、話数を重ねるごとに静かに、しかし確実に視聴者の心をつかんでいった。

1話15分、全20話というコンパクトな構成は、現代ドラマとしては異例とも言える。物語は大きな事件も劇的な転換も用意せず、「考察ブーム」とは真逆の立ち位置で、主人公の日常がほとんど変わらないまま淡々と続いていく。それでも、いや、だからこそ、「気づけば毎話見てしまう」「終わってほしくない」という声が多く上がった。ヒロトとなつみ、そして平屋を取り巻く人々の会話や沈黙、縁側で流れる時間は、物語を前に進めるためではなく“そこにある生活”を描くために存在している。視聴者は展開を追うのではなく、その空気に身を委ねるように作品と向き合っていたのだろう。最終回を迎えてなお、「何も変わらない日常を、できることならずっと見続けていたい」と思わせる力こそが、本作最大の魅力だったと言える。
派手さはないが、確かな余韻が残る。『ひらやすみ』は、物語が終わったあとも、登場人物たちがどこかで今日と同じ一日を過ごしていると自然に想像させてくれる、稀有な作品だった。


