TBS系「水曜日のダウンタウン」の人気企画「名探偵津田」第4話が放送され、世帯平均視聴率5・8%を記録。同時間帯に放送された、三谷幸喜脚本・フジテレビ系ドラマの最終回を2・9ポイント上回る結果となり、その存在感をあらためて示した。

「犯人を見つけるまで、この世界から抜け出せない」。そんな理不尽極まりないドッキリに放り込まれ、嫌々ながらも事件を解決していくダイアン津田篤宏。2023年の初回放送からシリーズを重ね、昨年には「長袖をください」という一言が新語・流行語大賞にノミネートされるほど、国民的(?)フレーズを生み出した。今回の第4弾は、「電気イスゲームで劇団ひとりが死亡した」という、いかにも水ダウらしい強引な設定からスタート。気づけば舞台は群馬の実家、テーマは跡取り問題、そして100年前に買われた“開かずの金庫”。ついには100年前へタイムスリップするという、もはやドッキリの枠を軽々と飛び越えたスケール感だ。バラエティでありながら、連続ドラマ顔負けの続き物構成。次週放送の後編を待たされるのも、計算された「罠」だろう。
一方で敗れたのが、三谷幸喜氏が25年ぶりにゴールデン・プライム帯で脚本を手がけたフジテレビの連ドラ。菅田将暉を筆頭に、神木隆之介、二階堂ふみ、浜辺美波と豪華キャストを揃え、1984年の渋谷を描く青春群像劇という意欲作だったが、最終回の世帯視聴率は2・9%。内容や挑戦性とは別の次元で、視聴率という現実の壁に直面した形だ。豪華キャストと名脚本家のドラマより、理不尽なドッキリに翻弄される芸人が勝つ――。そんな結果こそ、今のテレビ視聴者の「正直な気分」なのかもしれない。笑えて、続きが気になって、つい見てしまう。「名探偵津田」は、今や水曜夜の“事件”そのものだ。


