カラックス4K!
2025年12月20日より、ポンヌフの恋人を筆頭にレオス・カラックス監督作品全4作が、渋谷ユーロスペースほか全国で順次公開です。
レオス・カラックス Leos Carax
1960年、パリ近郊にアレックス・デュポンとして生まれる。13歳でアレックスとオスカーのアナグラムであるレオス・カラックスに自ら改名。10代前半から映画を観あさり、イギー・ポップに憧れ、セリーヌを愛読する早熟な子どもだった。16歳でバカロレア(高卒認定・大学入学資格)に合格、リセを辞めパリに出る。17歳で未完の短編『夢に見た娘』を撮り、18歳で「カイエ・デュ・シネマ」に寄稿。80年に初めて完成させた『絞殺のブルース』がイエール映画祭でグランプリ受賞。そのフィルモグラフィは長編六本、オムニバス映画一本と寡作ながら、一作ごとに新たな世界を生み出してきた唯一無二の映画作家。 『アネット』でカンヌ国際映画祭監督賞、リュミエール賞監督賞、セザール賞監督賞を受賞した。
https://carax4k.comより引用
本記事では、この度劇場で公開される全4作品についてご紹介します。
『ポンヌフの恋人』1991年公開
2025年12月20日(土)より公開

レオス・カラックス最大のヒット作『ポンヌフの恋人』は、度重なる撮影中断に見舞われ、完成までに3年の時と膨大な製作費を要し、その不運にまつわるいくつものエピソードによって完成前からすでに伝説と化していた。誰もが完成を疑い「呪われた映画」とまで呼ばれたが、1991年10月に全仏公開されると「フランス映画史に新たな傑作誕生!」と大きな反響を呼びパリだけで26万人という大ヒットを記録。
日本ではシネマライズ渋谷の単館ロードショーで27週ロングランの異例のヒットとなった。ネット時代以前の各種の紙メディアに膨大な記事が掲載され多分野の著名人がコメント。新聞紙上にも「疾走感あふれるめくるめく詩的イメージの乱舞」といった文字が踊り、スピルバーグの賛辞も伝わってきた。作品の持つ熱量が熱狂的なファンを生み、『ポンヌフの恋人』でカラックスの人気は決定的なものとなった。
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もちろん筆者も観てきました。
平日のレイトショーだというのに会場はほぼ満席。一番前の隅っこの席しか空いていませんでした。盛り上がっていて嬉しいです。
まずは本当に劇場で公開してくれてありがとうございます!
初めてポンヌフの恋人を観たのは15.6歳の時。当時は家の近くにあったTSUTAYAでDVDをレンタルし、家の小さいテレビで観ました。ポンヌフの橋で踊り狂うシーンや、地下鉄の炎、水飛沫と疾走するドニ・ラヴァンのことはずっと覚えていましたが、正直他の部分は忘れていました。
それから10年近く経って、ポンヌフの恋人ってこんな映画だったのか?と衝撃。
ジュリエット・ビノシュもこんなに走っていたんだ!あの時は気に留めなかった水切りのシーンがお気に入りになったり、大好きなセリフを見つけたり、とにかく感動の2時間でした。そして圧巻4Kの美しさ。映画館で映画を観ることの素晴らしさをこれでもかと思い知りました。
『汚れた血』1986年公開
2026年1月10日(土)より公開予定

愛のないセックスで感染する奇妙な病気「STBO」が蔓延する近未来のパリ。父の不可解な死の後、アレックスは父の友人マルクからSTBOウィルスを盗む犯罪に誘われるが、彼はマルクの愛人アンナに魅かれてゆく…。結ばれない男女の三角関係を、凝りに凝った映像でスピーディかつ衝撃的に描く、鮮烈な色彩のフィルム・ノワール。
デヴィッド・ボウイの「Modern Love」をバックにドニ・ラヴァンが走り続ける長回しや、ラストのジュリエット・ビノシュの疾走など、映画史に残る数々の名シーンでも知られている。レオス・カラックスのなかでもっとも美に徹した本作は、その色彩感覚や映像センスで熱狂的ファンを生み、影響を受けた映画人やミュージシャンも少なくない。
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『ポンヌフの恋人』を観てから、筆者はカラックス作品を観漁りました。その時に1番好きだった映画が『汚れた血』です。しかし先日の『ポンヌフの恋人』体験から、いま観たらどう思うのか怖さもあります。1月10日が待ちきれません。
『ボーイ・ミーツ・ガール』1983年公開
2026年1月31日(土)より公開予定

作家セリーヌの「なしくずしの死」をゆっくりと読む子供のような声にいざなわれ、夜のパリを彷徨うふたつの孤独な魂の出会いを描く『ボーイ・ミーツ・ガール』。親友に恋人をとられたアレックスは、恋人とケンカしたミレーユと偶然出会う。一目惚れ、そしてやがてくる思わぬ悲劇が、コップの水が静かに溢れ出すような緊張感で語られる。
フロントガラスが割れた車の母子。セーヌ川の河岸での‟初めての殺人未遂‟。デヴィッド・ボウイを聞きながら夜の街をうつろうアレックス。ゴダールの『気狂いピエロ』を思い出させる奇妙なパーティー。出会いの瞬間に割れるグラス。アレックスとミレーユの夜更けの語らい――。記憶か夢の断片のような美しいシーンの連鎖と、アレックスの詩的で独白的な語りによって、夜の闘のなかをたゆたうように物語は進んでゆく。当時、批評家セルジュ・ダネーはリベラシオン紙で「アレックスとミレーユの視線には何か今日的なものがある。若いが迷いはなく、彼らを取り巻く世界のよそ者で、必然的に抑えられた反抗の告白」と評した。『ボーイ・ミーツ・ガール』は80年代という時代感覚を色濃く伝える、カラックスの出発点となる長編デビュー作だ。
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ボーイ・ミーツ・ガールと聞くと、筆者は岡崎京子の『パノラマボーイ パノラマガール』を思い出します。それしかないくらい、この映画のことを覚えていません。ただこの映画のことをすごく好きだったことは覚えています。なんか恥ずかしいですね。
『ポーラX』1999年公開
2026年2月21日(土)より公開予定

華麗な映像と激越なドラマで多くのファンの心を揺さぶった『ポンヌフの恋人』(91年)から8年、レオス・カラックスは『ポーラX』で復活する。カラックスならではの濃密な映画世界がふたたびスクリーンに炸裂した。
19世紀半ばのアメリカ小説、ハーマン・メルヴィルの「ピエール」(1852)の映画化で、タイトルの『ポーラX』は小説の仏題”Pierre ou les ambiguité” (ピエール、あるいは曖昧なるもの)の頭文字Polaに謎のXをつけたもの。原作「ピエール」は「白鯨」の翌年にメルヴィルが熱狂のうちに書き上げ、その内容から「メルヴィル発狂す」とまで報じられた背徳的で虚無的な長編小説であり、カラックスは18歳の頃に読み「自分のために書かれたかのような奇妙な感覚」を抱いたという。それを泥沼のユーゴ内戦など20世紀末の文脈に置き直し、アクチュアルな話として、また自身の物語として読み直そうとした。主人公ピエールと姉かもしれぬイザベルは、混沌の中で血にまみれた奔流に溺れる双子の孤児のようだ。二人の絶望の深み、そしてその果てにあるあらゆる愛憎としがらみからの超越を、壮絶なロマンティシズムの物語として描いた『ポーラX』は、20世紀の映画シーンの終わりにカラックスが発した魂のメッセージだった。
本作はフランス・ドイツ・日本・スイス合作映画で、『ポンヌフの恋人』の製作費のせいでプロデューサー・出資者が見つからなかった中、日本からはシナリオ・デベロップメント段階から製作を援助、長期にわたってバックアップし続け完成された。日本ではシネマライズ渋谷で1999年10月から19週公開された。
https://carax4k.comより引用
正直に言います。この映画は観たことがありません。なんたる失態。しかしまだ観ぬレオス・カラックス作品を、映画館で初めて観ることができる喜び。あまり予告や前情報を入れないように2月まで過ごします。
いかかでしたか?
この貴重な機会に、ぜひ皆さんも映画館へ行ってみてはいかがでしょうか。


