東京大学・鈴木俊貴准教授は、世界で初めて「鳥の鳴き声の意味」を解明したと発表し、世界中の研究者を驚かせました。その研究はどのような内容なのでしょうか?

シジュウカラについて

鈴木教授は、大学4年から日本ではほぼ全国に分布している野鳥のシジュウカラの言語を調査し、世界で初めてシジュウカラが言葉を話していると突き止めました。世界の科学雑誌などに論文が掲載されたほか、世界で初めて「動物言語学」を提唱して、大きな反響を呼んでいます。
今回の研究に使われたシジュウカラは、全長14.5cm、体重は14g。北日本に多く、西日本には少ない鳥。
平地から山地の林にすみますが、市街地、住宅地で見ることも多く、木の穴に巣をつくりますが、人工的な狭い穴にもよく作ります。
「ツツピン ツツピン」と鳴いて、鳥の中でもいち早く春を告げるシジュウカラは、市街地でもおなじみの鳥かもしれません。
鳴き声の意味が判明

鈴木教授の研究によると、シジュウカラの鳴き声には、「集まれ」を意味する「ヂヂヂヂ」、「警戒しろ」を意味する「ピーツピ」、「ヘビだ」を意味する「ジャージャー」などがあり、20個ほどの「単語」を組み合わせ、200以上の表現を作っていると推測されています。
では、鈴木教授はシジュウカラの鳴き声の意味をどのように調べたのでしょうか?
鈴木教授の実験

鈴木教授の実験では、シジュウカラのヒナがいる巣箱の下に生きたヘビが入ったプラスチックケースを置くというもの。実際は安全ですが、ヘビが巣箱のヒナを襲いにくるようにも見えます。ヘビに気づいたシジュウカラの親鳥は「ジャージャー」と鳴き、その鳴き声を聞いたヒナは慌てて巣箱から飛び立ちました。
それを見て鈴木教授は、シジュウカラの鳴き声に文法があることや、手話のようにジェスチャーで意思を伝え合うことも発見したといいます。
さらに、鳥は別の種類の鳥の鳴き声も理解しているらしいこともわかりました。
鳥の種類によって鳴き声は異なりますが、鈴木教授がスピーカーでシジュウカラの「ヂヂヂヂ(集まれ)」という声を流したところ、シジュウカラ以外の鳥も含めてカラ類の鳥などが集まってきたとのこと。
そして驚いたことに、シジュウカラはその鳴き声を利用して他の鳥をだますこともあるといいます。
シジュウカラが餌場を占領する他の鳥に、「ヒヒヒ(タカがいる)」という鳴き声を聞かせたものの実際にはタカがいないケースがあり、他の鳥はこの鳴き声にだまされて餌場から逃げ出していました。そして、他の鳥がいなくなった餌場でシジュウカラは餌を食べているのです。
今後、街でシジュウカラを見つけた際は何を喋っているのか、少し気をつけて聞いてみるのも面白そうですね。


