
2025年11月22日、23日に幕張メッセにて「ゲームマーケット2025秋」が開催される。
ゲームマーケットは、NintendoSwitchやPlaystation5とは違い、電源を利用しないアナログゲームだけの祭典で、出展サークル数は1000を超えるという。
出店者の数も、来場者の数も増加傾向にあるというゲームマーケット。本記事ではその勢いの理由を探ってみた。
数字で見る歴代のゲームマーケット
そもそも、歴代のゲームマーケットはどのように成長してきたのか?「ボードゲームデザイナーズ前編 クリエイターたちの肖像」によると、来場者の動向は以下。

台東館で開催の2011年には5000人以下だった来場者数は、2013年に東京ビッグサイトに会場を変更しさらに拡大。2017年には2日開催になり、2019年まで大幅な増加を続けた。
コロナ禍の2020年以降は一旦数値を落としたものの、2023年には2万5000人近くの来場があり、24年秋には更に大きい幕張メッセへと会場変更。25年春まで更に数字が伸びている状態だ。
サークル参加数も1000を超え、企業ではない個人ベースでこのような数のアナログゲームの同人作品が発表されるイベントは世界でも類を見ないという。
なぜ今アナログゲームなのか?
とはいえ、日本ではまだなじみの薄いボードゲーム。実は世界ではもっとメジャーなものとして文化に根付いている国も多い。
中でも毎年発行されるボードゲームの約4分の1がドイツ製と言われるように、ドイツは世界一のボードゲーム大国として知られる。駅の売店や薬局などでカジュアルにボードゲームが売られるなど、国全体を挙げてボードゲームを応援する雰囲気があるという。
さらに、世界で一番権威のあるボードゲームの賞は「ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)」と言われており、アナログゲームの世界では映画のアカデミー賞のような影響力を持つ。

この賞の創設(1979年)以降、日本人の大賞受賞者はいなかったのだが、2025年7月に初めて日本人の林尚志さんによる『ボムバスターズ』(Bomb Busters)が大賞を受賞。

※写真はengamesより
世界的に見ても日本のボードゲームにかつてない注目が集まっているのである。
コロナの終了、AIやデジタル世界への反発?
ボードゲームは人々が直接同じ場所に集まらないとプレイすることができない。コロナ期に人々が会えなかったことの反動もあり、ボードゲームを友達集合のためのツールとして使う動きもあるという。
世間ではAIやデジタルコンテンツが飽和する中、アナログゲームを利用すると
・勝ち負けを恩情でナシにしたり
・子供にもわかりやすいようその場でルールを変更したり
と、厳密なルールに縛られすぎない楽しみ方ができることも、むしろ魅力になっている。
まだまだ伸びそうなアナログゲーム業界。
みなさんもお店で一つ購入してみると、日常生活が少しだけ豊かになったりするかもしれない。


