マジで何言ってんだ???『農林水産省』がなんの冗談かと話題に

正気か?

 先日、農林水産省の公式SNSに投稿が、思わぬ形で話題をさらった。「いや、どうした急に?」「冗談で言ってるんじゃないよね?」そんな戸惑いの声が次々と上がり、瞬く間に投稿は話題に。思わず二度見したその投稿内容は、健康的な食生活を呼びかけるもの。だが、その勧め方があまりにも現実離れしていたのだ。

「テリーヌ」ってなんなんだ

 公的機関の発信といえば、誰でも理解しやすい情報を、生活に寄り添った形で伝えるのが王道。しかし今回の投稿は、そんな期待を軽々と超えていく。まるで雑誌のグルメ特集さながらの「オシャレ」で「手間のかかる料理」を「簡単にできます!」というノリで紹介してみせたのだ。
 そりゃあ、SNSのコメント欄がザワつくのも無理はない。ツッコミのオンパレードである。

 もちろん、農林水産省が国民の食生活改善に力を入れること自体は素晴らしい。むしろ必要不可欠だろう。しかし、今回問題になったのは、内容ではなく距離感である。公的機関が発信するメッセージは本来、幅広い生活者の日常に寄り添い、誰でも真似できる手軽さが求められる。ところが今回の投稿からは、「これくらいできるよね?」というズレた前提が透けて見え、国民の生活実態との落差が際立ってしまった。

 実際、健康のために野菜を増やしたいと思いながらも、それを実現できない理由はさまざまだ。忙しさ、調理の手間、食費の負担、そもそも料理が苦手など、現場にはそれぞれの事情がある。だからこそ、公的な広報には日常のリアルを踏まえたアドバイスが必要だ。例えば、「具だくさん味噌汁に1種類野菜を追加」「コンビニのカット野菜を活用」「冷凍野菜で時短調理」のように、今日から無理なく始められる提案こそ響くはずである。

 今回の一件は、ちょっとしたズレが大きな反響を呼んでしまった例だが、裏を返せば、行政の広報が注目され、国民とコミュニケーションを取る機会が増えているということでもある。だからこそ、次に同じような投稿をする際には、「これならやれる」「明日から試してみよう」と前向きな声が増えるような、生活者目線の提案が望まれる。

 しかし、さらに注目すべきは、SNSでの発信に潜むもう一つの落とし穴。それは誤字である。

よく気づいたな

 SNS時代の広報に必要なのは、派手なセンスより、確かな共感と細やかなチェック体制である。

 次に話題になるときは「マジで何言ってんだ?」ではなく、「これならやれる!」という声があふれることを願いたい。

タイトルとURLをコピーしました