年の瀬が近づくと、台所の風景も少しだけ特別になる。大みそかに「年越しそば」や「年越しうどん」を用意し、新しい年を迎える準備をする――そんな家庭も多いだろう。慌ただしい時期だからこそ、いつもの一杯を少しだけおいしくできたら、それだけで気持ちが整う。
そこで注目したいのが、日本テレビ系『沸騰ワード10』で“伝説の家政婦”として知られるタサン志麻さんのYouTubeチャンネルだ。今回クローズアップするのは、3月19日に公開された「肉うどん」のレシピ動画。派手な演出はないが、日々の食卓に寄り添う実践的な工夫が詰まっている。

山口県出身の志麻さんが紹介する肉うどんは、本人いわく「わりと甘め」の味付け。子どもの頃から慣れ親しんだ家庭の味で、だしの旨みと甘辛い肉のバランスが、うどんのやさしさを引き立てる。特別な食材や難しい工程はなく、ちょっとした火入れや味の含ませ方にコツがあるのが印象的だ。動画の中で印象的なのは、レシピそのものだけでなく、志麻さんが一つひとつの工程にきちんと理由を添えている点だ。肉うどんの主役となる牛肉は「濃いめ、甘み強め」に味付けすることで、だしのきいたつゆの中でしっかりとしたアクセントになるという。さらに、20〜30分ほどじっくり煮込んで柔らかくするのもポイント。急がず時間をかけることで、家庭料理でも専門店のような仕上がりに近づく。
だしについても妥協はない。だしはやや濃いめに取り、仕上げに麺つゆで味を整えるという実践的な方法を紹介。だしパックや粉末だしでも同じ考え方でいいと補足しており、「完璧な素材」よりも「再現しやすさ」を大切にしている姿勢が伝わってくる。
そして、視聴者の注目を集めたのが薬味のネギの扱いだ。「小ネギでもいいし、白ネギでもいい」と前置きしつつ、この日は白ネギを細切りに。刻んだネギをザルに入れてさっと水洗いし、その後しっかり水気を切ってから使う、という一手間を自然に行った。
この工程に対し、コメント欄には驚きの声が続出。「薬味のネギって水洗いするんですね」「切ったあとに洗うのは初めて見ました」「苦味を取るため?」など、疑問や発見の声が並んだ。志麻さんが多くの人に支持される理由は、こうした“当たり前のようで知られていない工夫”を、構えず淡々と見せてくれるところにあるのだろう。
年越しの一杯は、豪華でなくていい。こうした“普段着のプロの知恵”を取り入れるだけで、いつものそばやうどんが、少し記憶に残る味になる。一年を締めくくる食卓に、志麻さん流の肉うどんのエッセンスを忍ばせてみるのも、悪くない年越しの過ごし方かもしれない。


