
2025年12月9日の朝。数時間(主に午前中)にフランスの電力市場(EPEX SPOT)で卸売価格がマイナスに転じました。具体的な最低値は公開されていませんが、過去の類似事例から-10〜-50ユーロ/MWh(メガワット時)程度と推定されます。この結果、電力が「ゼロ円どころか逆にお小遣い」状態に。
電力供給者が余剰電力を消費者に「無料で渡すどころか、むしろお金を払って受け取ってもらう」状況が発生。
まさに「奇跡の無料時間」これは深刻なエネルギー危機の逆バージョンで、再生可能エネルギーの増加と需要の低迷が引き起こした市場の歪みです。
X(旧Twitter)では
Xでは即座に話題に。「フランス、電力多すぎて逆にお金もらえるなんて羨ましい!」という投稿が飛び交い、ウクライナのザハロワ報道官の「EUは電力不足で暗闇に」という発言を皮肉る声も,
この現象は、家庭の電気代が直接ゼロになるわけじゃない(卸売市場の話)けど、将来的に一般料金低下につながる可能性大です。実際、2025年2月から規制料金が15%下がる見込みで、平均世帯で年間200ユーロ(約3万円)節約できるかも!
なぜ起きた?
フランスの電力事情は独特で、原子力70%依存の「クリーンエネルギー大国です。
- 供給過多の爆発:
- 再生可能エネルギー(風力・太陽光)の急増。2025年、風力発電が過去最高を更新し、朝の穏やかな風で出力がピークに。
- 原子力の復活: 2022年の危機後、EDF(フランス電力公社)がメンテナンスを終え、生産量が前年比20%アップ。Flamanvilleの新原子炉も2024年末に接続され、総容量63GWに。
- 結果: 供給が需要を上回り、市場が「電力の山」に。RTEの報告書では、2025年11月時点で輸出量が過去最高の82TWh(テラワット時)に達し、余剰が蓄積。
- 需要の低迷:
- 経済不振: 2022年のエネルギー危機で工場が閉鎖・消費削減続き、工業需要が低調。2025年もインフレと景気後退で家庭・企業が節電モード。
- 天候要因: 12月上旬の穏やかな気候で暖房需要が少なく、朝の電力消費がピークを下回った。
- 欧州全体の影響: 隣国(ドイツ・スペイン)でも負の価格が増え、フランスが「電力輸出大国」として余剰を押し出せない状況に。
- 良いニュース(消費者目線):
- 料金低下の連鎖: 卸売価格の下落で、2025年全体の平均が2018年以来最低に。2月からの家庭料金15%カットは、この余剰効果の賜物。1kWhあたり約0.215ユーロ(約34円)と安価に。
- 輸出ブーム: フランスは2025年に過去最高の電力輸出を記録中。欧州の「電力貧困国」を助け、経済効果大。
- エコの推進: 負の価格は「今使え!」のシグナル。EV充電やデータセンターが活発化し、脱炭素が進むかも。
- 悪いニュース(供給者目線):
- 生産者のジレンマ: 再生エネ事業者は負の価格で「売るほど損」、出力カットを余儀なくされ(例: EDFが複数原子炉を一時停止)。投資回収が難しく、蓄電池(ストレージ)の需要が増大。
- 市場の歪み: RTEは「欧州レベルの対策が必要」と警告。ピーク/オフピーク料金の見直し(2025-2027実施予定)で、午後2時頃の太陽光ピーク時に消費をシフトさせる計画。
- 税・インフラ負担: 2025年のTVA(付加価値税)調整で一時的にHT価格が下がるが、TURPE(送電料金)が10%アップ予定。
ザハロワ氏のEU批判に対する返し投稿がバズり、フランスの「電力優位」を祝う声多数。みんな「羨ましい日本も再生エネ増やせ!」と盛り上がってます。


