
お笑いコンビ・オードリーの若林正恭が、6日深夜放送の『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にて小説家デビューすることを発表した。
若林の初小説『青天』
若林の初小説『青天』(文藝春秋)は、2026年2月20日に発売される。
『青天』は、万年2回戦どまりのアメフト部で、情熱を燃やす高校生を描いた作品だとのこと。文藝春秋のサイトには「青春の苦みと悦びに満ちた、著者渾身の初小説」と記されている。
若林が小説を発表するのは初めてだが、文筆活動としてはすでにエッセイを数冊出版しており一定の評価を受けている。特に、旅行で訪れたキューバについて書き下ろしたエッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』は、一般社団法人日本旅行作家協会主催の『第3回 斎藤茂太賞』を受賞し話題になった。
とはいえ、芸人が小説を発表するのは最近ではあまり珍しくない。
芸人のネタを考える能力や観察眼は、小説を書く上でも生かされることが多いのだろう。芸人が小説を書く道を切り開いたパイオニアである劇団ひとりや、芥川賞を受賞したピース・又吉、大の文学好きとしても知られる爆笑問題・太田などは特に有名なところだが、最近はより多くの芸人が小説に挑戦するようになっている。
ここでは、近年小説を発表し特に話題になった芸人を3名紹介する。
ヒコロヒー
女性ピン芸人・ヒコロヒーは、2024年1月に発売された初の短編恋愛小説集『黙って喋って』で、第31回島清恋愛文学賞を受賞し話題となった。その文才は吉本ばななや西加奈子さん、俵万智さんなど本業の女性作家たちからも絶賛されている。
ラランド・ニシダ
お笑いコンビ・ラランドでの立ち位置としては「クズ芸人キャラ」で相方・サーヤからダメ出しされ続けているニシダだが、年間100 冊を読破するほどの無類の読書好きの一面を持つ。初めて発表した短編小説集「不器用で」は、千原ジュニアからも「これホンモンやん」と高く評価された。
ジャルジャル・福徳
斬新なコントで人気を得ているジャルジャルの福徳は、2017年に絵本「まくらのまーくん」を発表するなど、作家としても活動している。2020年には恋愛小説「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を発表。2025年4月25日に映画化、全国公開までされている。
読書のきっかけとしての「芸人小説」
読書したいとは思っていても、知らない作家の作品を読むのは意外とハードルが高いもの。だが、芸人としての顔を知っている作家の作品なら、その意外な側面も楽しみながら読むことができるはずだ。若林が小説を発表したこの機会に、他の芸人の小説にも手を伸ばしてみてはいかがだろう。


