「AIバブル」って本当にバブルなのか調べてみた

 この数年、ニュースを見ていても、もはやAIをやってない会社のほうが珍しいんじゃないか?という勢いを感じますよね。

 ただここ数日に限っては、「AIバブル」なるような話題もちらほら耳にするようになった気もします。少し気になってGoogleトレンドで見てみたら、確かにここ1ヶ月ほどで話題になるようになってきているようです。

 ニュースを巡回すると、GoogleのCEO、サンダー・ピチャイも『現在のAIへの投資が一定程度「非合理」である』と指摘しているようで、『AIバブルの崩壊がすべての企業に広範な影響を与える』なんてことも語っていたようです。
https://news.aibase.com/ja/news/22933

 ということで、今のAIブームがまじでパラダイム・シフトを起こそうとしているのか、ただのAIバブルなのかを2000年前後のITバブルと比較しながら、ゆるく考えてみたいと思います。

そもそも「AIバブル」とは何が起きているのか?

 世界のエコノミストや大手金融機関も「これちょっとヤバい状況じゃない?」と言い始めています。

 などなど、警告をしている人はいくらでも出てくる勢いになっています。ここまで来ると「AIバブルって気のせいとか言ってる場合じゃないんじゃない??」という気がしてきますね。

ITバブルとAIバブル、似ているポイント

 では、2000年前後ぐらいのITバブルと今回のAIバブル、似ているポイントはどこでしょうか。

①夢が先行していて、利益はあとから

 ITバブルの時代は「ドメインとって新しいサイト作れば時価総額●●億円!」みたいな雰囲気もあり、
・ユーザ数
・ページビュー数
などで「なんかすごそうな指標」を見せて評価されていました。

 今のAIも同様に
・処理したトークン数
・モデルへのクエリ数
・GPUの投資額
みたいな、「とんでもないスケール感」のある数字がバンバン出てきており、「利益とは直結しない指標」が中心になっています。

 NVIDIAの超巨大な時価総額や、OpenAIの売上は伸びてはいるもののまだまだ赤字の構造、スタートアップへの大量のVCマネーの流入など、ITバブルを彷彿させるという指摘も実際に出ています。
https://xenospectrum.com/the-ai-boom-feels-eerily-similar-to-2000s-dotcom-crash-with-some-important-differences/

②お金の出どころが偏りがち

 ドットコム時代はベンチャーとIPOにお金が集中していましたが、今は

  • Microsoft、Google、Amazon、Meta、NVIDIAのようなビックテック
  • それらを支えるデータセンタや電力インフラ

に資金が流れています。

 AI関連企業が「減価償却という会計トリック」を使って意図的に利益を見せていて、AI市場の危うさを指摘する声もあります。
https://manabox-global.com/2025/11/aibubbleginen/

③「今回は違う」がよく出てくる

 ITバブルのときも、「インターネットは世界を変える。今までの常識は通用しない」というような言説で溢れていました。

 今も「AIは人間の知的労働そのものを置き換えるイノベーションだ」みたいな話はよく聞きますよね。

 結局、ITバブルの結末はご存知の通りです。ナスダックは2000〜2002年にかけて約80%の大暴落を記録しました。
https://www.businessinsider.com/steve-hanke-ai-boom-dotcom-bubble-tech-stocks-growth-forecasts-2025-10

とは言えAIブームはITブームのコピペではない

 じゃあ結論として、AIブームはITブームと一緒なのでバブルだよね、と言い切れるかというと、そこまで単純でもないよな、とも思います。

①既に浸透してきている

 ITバブルのころは「これからインターネットで全てのモノを買うぞ!」と言っても、ネットワークは貧弱、決済手段も微妙、常用するにはテクノロジーが追いついておらず「未来の話」を抜け出せずにいました。

 それに比べてAIはすでに

  • 仕事の資料作成や議事録まとめ
  • プログラムのコード作成やレビュー、デバッグ
  • チャットボットやAIオペレータの登場
  • 動画や画像、音楽の生成

 などなど、既に数え切れないほどの利用用途が出てきており、仕事だけでなく日常生活のかなり深いところにまで入り込んでいます。

 もはや今は絵を見ても、これが人が描いたのかAIが描いたのか、言ってしまえばこの文章だって人が書いているのかAIが書いているのかを確かめる手段なんてないですよね。

 ITバブルは主に「コミュニケーション」「ショッピング」「広告」などを現実と並走しながら変えていったので、崩壊したとしても「まぁこれまでの手段で良いか」になったかもしれませんが、AIでは「考え方」を含め「創造性」に近い部分にも変化が起きており、より崩壊のダメージが大きいかもしれません。これは崩壊しそうなときにそれを防ごうとする力学として働くかも知れませんね。

②プレイヤーがスタートアップ中心からメガテック中心に

 ドットコム時代は、聞いたこともない名前のスタートアップがIPOしたあと一瞬で消えていく、みたいなパターンが大量に起きていました。

 今のAIバブルは、もちろんスタートアップ自体は生まれていますが、牽引しているのはGAFAやNVIDIAのような、お金もインフラも人材もすべて揃えているビックテックが中心です。

 この状況であれば

  • システム全体が一気に崩壊するリスクは低い
  • ただビックテックのどこかがコケるとAI以外で影響が出ちゃう

 という、バブルは起きないけど、よく分からないところで影響が出ちゃうという、少し込み入った構造になっているかもしれません。

個人的な結論:「バブル前提の覚悟でとりあえず使い倒す」が正解

 色々なニュースや論考を見た結果、今の私の結論は以下のとおりです。

  • AI自体はおそらく人類史最大級の技術変化と言えそう。ただ株価はやりすぎかもしれない
  • 「AIバブルは来ない」ではなく、「どこかで調整が入る」ぐらいの気持ちでいるほうが精神衛生上良いだろう
  • AI自体は生活に溶け込みだしており、崩壊しても技術は残る。今のうちに使いこなして「AIを使う側」でいるべき

 GoogleのCEO、ピチャイも「AI投資には非合理性も混ざっている」と言いつつも、会社としてはAI投資加速させていますしね。

 「バブルだからやめておこう」ではなく「バブルなのは分かった上で、長期で勝てるようにしておこう」というスタンスが、精神衛生上も最も良いのではないでしょうか。

 なんだかんだ、ITだってバブルのあとに、インターネットがちゃんと世界を変えていきました。AIももし崩壊しても、ITよりも世界を変えていくんじゃないでしょうか。バブルだったかどうかは、数十年後に「まぁそうとも言えたかもね」ぐらいのノリなのかもしれません。

 ということで、これからもAIとはいい距離感で生きていきたいと思います。では!

タイトルとURLをコピーしました